こんにちは。院長の吉村です。
秋に咲く花のひとつに「彼岸花」があります。田んぼの近くなどに群生し、少し変わった形の真っ赤な花を咲かせます。
「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という別名もあり、サンスクリット語で「天界に咲く花」という意味があります。
一方で、彼岸花には毒があるため、「毒花」や「痺れ花」と呼ばれてしまうことも。
さて、歯科で痺れといえば、麻酔のあとのジーンとした感じを思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれません。こちらはしばらく安静にしていただけば、次第に麻酔の効果は薄れていきますのでご安心ください。
一方で「そもそも麻酔が効きにくい」というケースもあります。こちらは治療中の痛みに関わるとても重要な話ですので、少し詳しくご説明したいと思います。
● 骨が硬い・厚いと効きにくい!?
麻酔は注射する場所の骨の厚みや硬さで、その効き目が左右されます。特に、下の奥歯は他の部位に比べて周囲の骨が厚くて硬いため、麻酔が効くまで時間がかかったり、十分に効果が得られなかったりすることも珍しくありません。また、骨がもともとしっかりしている体格の方も、麻酔が効きにくい傾向があります。
このように通常の麻酔が効かない場合には「伝達麻酔」と呼ばれる、下あごの神経の根元に麻酔する方法など、他の麻酔法を追加することで、痛みなく治療を進めることができます。
● 歯や歯ぐきに強い痛み・腫れがある!
むし歯・歯周病が原因でひどい痛みや腫れがある場合にも麻酔が効きにくいことがあります。炎症が強いと、その周囲が酸性の環境になるためです。麻酔薬は一般的に弱アルカリ性で効果が発揮されるように作られているため、酸性になっている場所では効果が弱くなってしまいます。
このような場合は無理に治療を行わず、痛み止めや抗菌剤を処方して、痛みや腫れの症状が落ちついてから改めて治療を行なっていきます。
● 治療に不安があるときには…
治療に対する不安や恐怖心、あるいは「自分は麻酔が効きづらい」という思い込みが強いと、痛みをより敏感に感じてしまうことがあります。治療に際しては、歯科医師としっかりコミュニケーションをとり、治療に対する理解を深めることが大切です。
歯科医師と良好な信頼関係を築くことも、痛みを少なく、安心して治療を受けるポイントといえます。
このように、麻酔が効きにくい場合でも、歯科医院ではさまざまな工夫を行いながら、できる限り快適に治療を受けていただけるように努めています。しかし、痛みや腫れがひどくなるまで放置すると、いざ治療をしたくても麻酔が効かず、さらに痛い思いをしたり、十分な治療が受けられなかったりするため注意が必要です。
歯科治療をストレスなく、快適に受けるためには、症状の軽いうちに来院することも大きなポイントです。「痛みが気になるけど、少し様子を見よう」とは思わず、気になる症状があれば早めに受診しましょう。
ふじさと歯科
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